自己破産後に車を残す方法。車のローンと査定額が引き上げの基準に

自己破産後に車を残す方法【どうしても必要な場合は?】

自己破産を考えているけど、車がなくなったら困るという方も多いのではないでしょうか?

あなたが心配しているように自己破産をすると車は処分されるケースが多いですが、車を残すことも可能です。

この記事では、自己破産後に車を残す方法や条件について解説しているので、参考にして下さい。

自己破産後に車を残す方法(車のローンと査定額が基準)

自己破産後に車を残す方法・条件

自己破産後でも車を残せるのは、車のローンが終わっていて、且つ車の査定額が20万円以下であるという2つの条件を満たしている場合です。

どちらか一つの条件でも満たせていない場合は、原則、車は没収され、返済に充てられます。

車のローンが終わっていない場合はローン会社に引き上げられる

車のローンの支払いが終わっていない状態で自己破産をすると、車はローン会社に没収されます。

車をローンで購入した場合、ローンの支払いが終わるまでは車の所有権はローン会社にあるためです。

車のローン契約では、一般的に所有権留保条項という特約がついていて、ローンが完済するまでは、車の所有者はローン会社で、購入者は使用者という立場になるのです。

ローン会社が車の引き上げにくる時期は、弁護士に自己破産の依頼をして、ローン会社に受任通知が届いた後の2~3ヶ月以内になります。

参照:所有権留保条項付売買契約【損保ジャパン日本興亜】

車のローンに保証人がいる場合は、保証人に支払いの請求が行きます。

ローンが終わっていても車の査定額が20万円を超えると引き上げられる

ローンが終わっていても車の査定額が20万円を超えると処分される

車のローンを払い終えていたとしても、車の査定額が20万円を超えると車は引き上げられる可能性が高いです。

自己破産の手続きでは、申立書と一緒に、あなたが所有する車の査定書を提出することになります。

査定額が20万円以下の車(購入から6年以上のモノ)はセーフ

車の耐用年数は6年となっているため、購入から6年以上経つ車は査定の結果、評価額が下がり、20万円以下の査定額になる可能性が高いです。

耐用年数とは、そのモノが使用できる期間として定められた年数で、個々の資産によって法律で決められています。

ただし、高級車やスーパーカーの場合は、耐用年数を超えていたとしても査定額が20万円を超えるため、引き上げとなるケースが多いです。

車の種類によって若干、耐用年数が異なりますが、詳細は国税庁のサイトで確認できます。

参照:耐用年数(車両・運搬具/工具)|国税庁

例外的に車を残せる場合もある

例外的に車を残せる場合もある

車の査定額が20万円を超えていても、破産者の財産をすべて合わせても99万円以内に収まる場合は、例外的に車を継続して所有できる場合があります。

例えば、車の査定額が30万円で、その他のすべての財産(現金や預貯金など)が50万円であった場合、車を自由財産として残せる可能性があります。

自由財産とは

自由財産とは、破産者の生活の保護と経済的自立を促すために、破産後も手元に残すことが許される財産で、処分の対象とはなりません。

もちろん、ローンが残っているモノは自由財産とはなりません。

自己破産前の車検、売却について

自己破産前に車検を受けるべきかどうか迷う方もいるようですが、処分の対象とならないような価値の低い車は引き上げにならないので、迷わず車検を受けましょう。

車検を受けたことで車の評価額が上がることはありませんし、自己破産で免責にならなくなるといったこともありません。

また、評価額の低い20万円以下の車は自己破産後も残せるので、売却するかどうかは、そのこと踏まえた上で判断しましょう。

自己破産後にどうしても車が必要なときの対策5つ

自己破産後にどうしても車が必要なときの対策5つ

自己破産をした後でも、生活をする上でどうしても車が必要な場合があると思いますが、そんな時の対策を5つ、ご紹介します。

  1. 裁判所に自由財産の拡張を認めてもらい、車を維持。
  2. 第三者にローンの支払いを継続してもらい、車を維持。
  3. 第三者に車を買い取ってもらい、その方から車を借りる。
  4. レンタカーを利用する。
  5. 自己破産以外の債務整理を選択する

5つの対策について詳しく解説します。

1.裁判所に自由財産の拡張を認めてもらい、車を維持

自己破産後の生活で、どうしても車が必要な場合は、その事情を裁判所に相談すれば、車の維持を認めてもらえることがあります。

車は本来、自由財産にはなりませんが、破産後の生活に車が必要な事情に応じて、車を継続して持つことを認める場合があり、これを「自由財産の拡張」と言います。

車の維持における「自由財産の拡張」の例としては、親の介護や怪我の治療に必要といった事情が認められます。

仕事に必要という事情は認められない場合が多いようです。

2.第三者にローンの支払いを継続してもらい、車を維持

2.第三者にローンの支払いを継続してもらい、車を維持

破産者以外の第三者にローンの支払いを維持してもらい、車を維持することができます。

この対策では、第三者に協力してもらうことと、債権者(ローン会社)の同意が必要となります。

3.第三者に車を買い取ってもらい、その方から車を借りる

第三者に自動車ローンの一括返済をしてもらい、車の名義を第三者へ移します(買い取ってもらう)。

その方から車を借りることで、事実上、車を維持することができます。

この際、車の名義を破産者から第三者へ移さないと、破産手続きの際に破産者の財産として処分されてしまう恐れがあります。

ローンの保証人がいる場合は、保証人に協力してもらうことも考えられます。

4.レンタカーを利用する

4.レンタカーを利用する

自己破産をした後でもレンタカーを利用することはできます。

破産後の日常生活で車が必要というわけではなく、どうしても必要になった時の対策として、レンタカーを利用することが挙げられます。

5.自己破産以外の債務整理を選択する

自己破産は債務整理の一つであり、自己破産以外の債務整理であれば、車を残すことができます。

自己破産以外の債務整理には任意整理、個人再生、特定調停の3つがあり、借金をゼロにはできませんが、借金の減額ができます。

自己破産以外の債務整理で完済ができるのであれば、それらの方法で借金を減額して、車などの財産を維持することも考えましょう。

自己破産以外の債務整理の方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

債務整理で借金問題を解説する方法を解説

家族名義の車は引き上げられない

車の名義人が家族の場合は没収されない

家族で使用している車がある場合、車の名義人が破産者以外の家族であるなら、自己破産によって車が処分となることはありません。

処分の対象は破産者名義の財産に限られる

自己破産によって処分となる財産は、破産者が名義となっているモノに限られ、その家族が個人的にもっている財産までは処分の対象となりません。

自己破産は、破産者(債務者)の負債と資産を清算する手続きなので、家族の資産は別ものとして扱われます。

破産第1条により、自己破産者の家族がもつ資産は保護されるので、自己破産による家族への影響は最小限に抑えることができるのです。

参照:破産法|e-Gov法令検索

家族名義の車でも引き上げになる場合がある

ただし、実質的に破産者がその車の名義人となっていて、便宜上、名義を家族に移しているだけの状態と判断された場合は、自己破産によって車が処分されることもあります。

例えば、名義人として登録されている名前が家族のものになっているだけで、実際に使用しているのが破産者であったり、財産隠しの目的で名義人を設定した場合です。

その他、自己破産が家族の財産に与える影響についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

自己破産による家族への影響【家や車などの財産は処分?】

自己破産前の車に関する禁止事項(名義変更、一括返済)

自己破産前の車に関する禁止事項2つ

自己破産をする前に、破産後も車を残そうとあれこれ手を打ちたくなるものですが、ここで自己破産前の車に関する禁止事項を2つお伝えします。

  1. 自己破産前の名義変更
  2. 自己破産前の自動車ローンの一括返済

それぞれについて解説します。

1.自己破産前の名義変更

自己破産後に車を残す目的で、車の名義を破産者から他の人へ移すことは禁止です。

前述の通り、自己破産で破産者以外の家族が名義となっている財産は処分の対象とはならないからといって、自己破産前に名義を変更すると財産隠しと判断され、免責を受けることができなくなります。

自己破産をするずっと前に名義を変えているならまだしも、自己破産前の名義変更はバレるリスクが高いのでやめましょう。

悪質な場合は免責どころではなく、処罰の対象となることもあります。

2.自己破産前の自動車ローンの一括返済

自己破産前に、複数あるローンの中から自動車ローンの一括返済をすると、自動車ローンだけ優先的に返済をしたことになり、自己破産ができなくなります。

破産法では「債権者平等の原則」というルールがあり、一部の債権者にだけ優先的に返済をすること(偏頗弁済)が禁止されています。

自己破産すると車の保険はどうなる?

自己破産すると車の保険はどうなる?

自己破産をしても車の保険が解約されることはありませんが、車を手放すことになった場合は、自動車保険を解約するのが自然の流れとなります。

保険の場合は、生命保険であれば解約の際に解約返戻金(かいやくへんれいきん)が戻ってきて、債権者への返済に充てられるので、自己破産の際に資産として扱われます。

しかし、自動車保険の場合は解約をしても、解約返戻金がないのが一般的なので、資産としては扱われません。。

参照:自己破産をすると自動車保険はどうなりますか? – エール立川司法書士事務所

自己破産後に車のローンは組める(購入できる)?

自己破産後に車のローンは組める(購入できる)?

自己破産後の5~10年は、自己破産の履歴が信用情報に残り、金融ブラックとなるため、自動車ローンの審査に通ることは難しいです。

しかし、金融機関や信販会社を通した通常の自動車ローンではなく、車の販売店が自社で提供している自社ローン(分割払い)であれば、通常のローンよりも審査が通りやすくなっています。

金融ブラックでも車が買える自社ローンとは?

自社ローンの審査では信用情報の照会がなく、自己破産をした過去を秘密にしたままにできるので、通常の自動車ローンよりも審査に通る可能性が高いのです。

もちろん、審査では安定収入があることを証明した上で、販売店の判断により合否が決まります。

自社ローンで買える車は50~100万円ほどの中古車に限られ、一般的な価格の車を購入するのは難しくなっています。

まとめ

自己破産をした後でも車を残せる条件は、車のローンが終わっていて、且つ査定額が20万円以内であることです。

車のローンが残っている場合や、査定額が20万円を超える場合は、自己破産の手続きで没収となることがほとんどです。

自己破産後の生活にどうしても車が必要な事情があるのであれば、裁判所に相談をすることで、自由財産の拡張により、例外的に車の維持を認めてもらえるケースがあります。

自己破産後も車を持ち続ける方法はありますが、禁止事項もありますので、あなたにとって最適な方法を、慎重に選んでください。

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