給料差し押さえの仕組み・流れ・限度額と6つの対処法

給料差し押さえの仕組みと6つの対処法

給料の差し押さえを解除する方法を探していませんか?

ローンの支払いが遅れたり、税金の滞納が続いてしまうと給料が差し押さえられ、口座から引き出しができなくなる可能性があります。

あなたの給料が差し押さえられることで、給料の手取り金額も減ってしまうので生活が苦しくなります。

また、会社にばれてしまうことで「お金にだらしない人だ!」と思われ楽しく過ごしていた職場も気まずい雰囲気になってしまうリスクもあります。

そうならない為にも、この記事では会社にバレないように「差し押さえ」から逃れられる6つの対処方法をお伝えします。

差し押さえは仕組みや流れを理解することで防ぐことができますので、この6つの方法を実践して対策をしましょう。

「差し押さえ」を防ぐ6つの対処方法に飛ぶ☟

給料差し押さえ(給与差押)とは?

差し押さえとは?

裁判所を通して強制的に給料を回収すること

差し押さえとは、債権者(お金を貸している側)がローンを滞納し続けている債務者(お金を借りている側)に対して裁判所を通して強制的に給料や財産を回収する事をいいます。

実際には、口座に振り込まれるはずの給料の金額が減ることになります。

財産には強制執行(強制的に差し押さえられる)ものと、そうでないものがあります。

強制執行される財産

強制執行されるものは、債権・動産・不動産の3種類に分けられます。その中でも債権が優先して差し押さえられます。

生活に不可欠なものは強制執行をする事ができません。

強制執行できるもの
債権 給料・預貯金など
動産 不動産以外のもの(時計・宝石・ピアノ・テレビなど)
不動産 土地・建物など

動産の中でも強制執行が「できるもの」と「できないもの」があります。

強制執行ができないものは

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 調理器具
  • ベッド

など生活に欠かせないものは禁止されています。

よくテレビなどで家にあるもの全て差し押さえられるイメージがありますが、法的に禁止されているので安心して大丈夫です。

ただ、換金できそうなものは家のありとあらゆる場所から探され回収されます。

給料が「差し押さえ」られる手続きの仕組みと流れ

返済が遅れたり滞納し続けたからといって、いきなり給料や財産を差し押さえられることはありません。

いつから差し押さえになるのか気になるところですが、差し押さえられるまでには流れと前兆があります。

給料が差し押さえられるまでの流れとして「借金やローン返済が遅れた場合」と「税金を滞納し続けた場合」とでは工程が異なってきますので別々で説明していきます。

借金やローン返済が遅れた場合

借金やローン返済が遅れた場合

借金やローン返済が遅れた場合、差し押さえは

  1. 支払督促申立書が届く
  2. 仮執行宣言付支払督促申立書が届く
  3. 債務名義の獲得
  4. 差し押さえの申し立て
  5. 差押命令書

の流れで強制執行になります。

借金やローン返済での支払いが出来なかった場合は、裁判所の手続きを経てから差し押さえが行われます。

1.支払督促申立書が届く

支払督促申立書とは債権者が裁判所に支払督促を申し立て、債務者に送る督促状です。

債権者から支払督促申立書が届いた場合は、債務者は「一括で支払いをするか2週間以内に異議を申し立てるか」の対応が必要になります。

2.仮執行宣言付支払督促申立書が届く

仮執行宣言付支払督促申立書

支払督促申立書を2週間以上放置した場合に「仮執行宣言付支払督促申立書」が届きます。

「仮執行宣言付支払督促申立書」が発送されると債権者はいつでも強制執行の申し立てができるようになります。

債務者は「仮執行宣言付支払督促申立書」が届いてから2週間以内であれば異議を申し立てることが許されています。

「仮執行宣言付支払督促申立書」が届いてから異議を申し立てずに無視をしてしまうと、債権者はいつでも債務者の給料を差し押さえることができるので、かなり危険な状況です。

3.債務名義の獲得

債務名義とは、債権の存在を公的に証明した文書のことをいいます。

債権者が債務者に差し押さえをするためには、裁判所に訴訟の手続きを行い「債務名義」をとる必要があります。

4.差し押さえの申し立て

差し押さえの申し立て

「債務名義」が手に入ると債権者は裁判所にいつでも差し押さえ命令を申し立てることができるようになります。

5.差押命令書

給料が差し押さえられる場合は、裁判所から勤めている会社に「差押命令書」が届きます。

会社側から対面もしくは書面で通知をうける流れになるので同僚にもばれてしまう可能性があります。

会社側は給料から差し押さえられる金額と給料を支払う金額に分けて計算をするため、手取りの金額は少なくなってしまいます。

また、一度の差し押さえで回収金額が足りなかった場合は翌月以降の給料からも差し押さえられてしまいます。

税金・慰謝料・養育費を滞納し続けた場合

税金を滞納し続けた場合

税金を滞納し続けた場合、差し押さえは

  1. 督促状が届く
  2. 催促書が届く
  3. 差押予告書が届く

という流れで書面が届き強制執行が行われます。

差押予告書が届いた場合は、差し押さえられるのも時間の問題であり、いつ差し押さえられてもおかしくない状況です。

※税金の場合は滞納が解消されない場合は、財産を差し押さえれることが法律で定められているため裁判所を通す必要がありません。

1.督促状が届く

督促状は、請求書が再度送られきたものになります。本来「支払わなければいけない料金が引落口座に入っていなかったり、期限が過ぎた場合」に届きます。

届いた督促状には「重要」という文字が書かれているため、少しびっくりしてしまいますが、指定された期日までに支払えば問題なく処分は解除されます。

また、督促状を無視していても、何度か届いてきますが少しずつ厳しい文面になってきます。

2.催促書が届く

催促書

督促状を無視し続けていると催促書が届きます。督促状と催促書の書類は変わりませんが催促書の方が煽りがきつくなります。

また、督促状と違って催促書は内容証明郵便で送られてくる場合が多いです。

内容証明郵便とは、「誰が、誰宛てにどのような内容でいつ出した手紙なのか」を郵便局が公的に証明してくれるので、「書類が届いていませんよ?」という誤魔化しが効かなくなります。

催促書も厳しい文面で書かれていますが指定された期日までに支払えば問題なく解決されますが、無視し続けると危険です。

3.差押予告書が届く

差押予告書が届くと、いよいよ危険な状況です。

差押予告書は最終通告

差押予告書は最終通告ですので無視すると給料や財産を差し押さえられます。

文面には最終期日が書かれているため、期日を過ぎてしますと強制執行されます。

なので、差し押さえを防ぐためには弁護士や司法書士に依頼して債務整理するか、期日までに支払いを行う必要があります。

税金の支払いは、自己破産をしたとしても免除にならないほどの義務なので、税金の滞納を甘くみてはいけません。

自己破産と税金の滞納について解説

自己破産と税金滞納分の支払い|免除や時効について解説

慰謝料や養育費の滞納(夫婦間トラブル)も差し押さえの対象になる

その他には離婚をした場合も、元配偶者に慰謝料や養育費を払わないと給料や預金口座を差し押さえられることがあるようです。

慰謝料や養育費、生活費の支払いなど、税金やローン返済以外に夫婦間のトラブルが原因で給料差し押さえの相談をする方もいます。

銀行口座の差し押さえにも、流れや対策がありますが、詳しくはこちらの記事で確認できます。

口座差し押さえの流れと対策を解説

銀行口座を差し押さえられたらどうする?流れと対処法

ちなみに、会社側が差し押さえの支払いを拒否した場合は、今度は会社を相手に訴訟を起こすことになります。

差し押さえるものがない場合は?

家宅捜索などによって、隅々まで財産を探しても、差し押さえるものがない場合は、何も差し押さえられません。

徴収できる財産がないということは、それ以上何もできないため、役所によって不納欠損処分という処理が行われ、時効と同じ扱いになります。

給料の差し押さえの限度額はいくらまで?(差押禁止額や計算方法)

差し押さえの上限金額

差し押さえといっても給料から全額回収されるわけではありません。

債務者にも生活があるため限度額が法律で決まっています。

差し押さえの上限金額は「借金やローン返済が遅れた場合」と「税金を滞納した場合」によって異なってきます。

借金やローン返済が遅れた場合

借金やローン返済が遅れた場合の差し押さえられる上限金額は割合でいうと「手取りの4分の1」までと決まっており、残り「手取りの4分の3」の回収は禁止となっています。

ただし、手取りが44万以上を超える場合は「33万を超えている金額全額」と「手取りの4分の1の金額」のどちらかの金額が大きい方を差し押さえられます。

手取りが50万の場合
33万を超えた金額 17万
手取り4分の1の金額 12万5千

手取りが50万の場合は「33万を超えている金額全額」の方が大きくなるので「17万」が差し押さえられる対象の金額となります。

また、一度の差し押さえで回収金額が足りない場合は翌月以降も給料から差し押さえ金額が差し引かれます。

参照:差押可能な給料の範囲|裁判所ウェブサイト

税金を滞納した場合

税金を滞納した場合は「手取りの給料分 ー 差し押さえ禁止額 = 差し押さえ対象金額」となります。

税金などを滞納した場合には国税徴収法によって差し押さえができる範囲が定められています。

参照:国税徴収法(平成30年度版)|国税庁

差し押さえ禁止額
(A)法的控除分の費用 所得税・住民税・社会保険料
(B)生活保障費 滞納者本人10万 + 扶養家族1人につき4.5万円
(C)体面維持費 【給料 ー(A + B)】× 20% = 体面維持費

よって「手取りの給料分 ー 差し押さえ禁止額(A + B + C)」が差し押さえられます。

また、一回で回収金額が足りない場合は翌月以降も差し押さえられます。

給料「差し押さえ」をさせないための6つの対策・方法(差押の解除方法)

給料「差し押さえ」をさせないための6つの対策
給料の差し押さえは、最低限の生活ができるように上限金額が設定されています。

上限金額が設定されていても返済が厳しい状況の中で給料の手取りが減ってしまうのは、さらに生活が困難な状況になってしまいます。

会社にばれて気まずい雰囲気にならないよう差し押さえをさせないための対策をまとめました。

1.早期対応

督促状や催告書が届いている段階での対処方法です。

届いた書類を無視をせずに支払いが可能であれば警告の初期段階で対策をすれば、会社にもばれずに支払いを済ませることができます。

2.会社を辞めて(退職して)、転職する

会社を辞める

債務者の勤務先不明だと、債権者が給料の差し押さえをすることはできません。

会社を辞め、転職をして新しい職場に勤めていることを内緒にしておけば給料の差し押さえを防ぐことができます。

3.失業保険を活用して、差し押さえを解除

「失業保険」は差し押さえが禁止されています。

会社を辞めた後に「失業保険」を活用して返済にあて、差し押さえの解除をするのも一つの手段になります。

綺麗に完済した後に新しい職場で仕事することで、気まずい職場からも解放することができます。

4.納税の猶予の申請

納税の猶予の申請

督促状や催促書を無視し続けると差し押さえられますが「納税の猶予」の申請の手続きを行うことで差し押さえを回避することができます。

「納税の猶予」は、失業や事業不振、病気や怪我などで支払いが困難な場合に申請の手続きが可能です。

一年を限度に猶予を受けられる

「納税の猶予」が認められた場合、一年を限度に猶予を受けることができます。

さらに、税金の支払いの期限を過ぎた時に課せられる延滞税も免除されます。

役所に相談

役所に相談することで未納者の状況にあわせて、

・滞納した税金を分割で支払うことができたり
・納税の猶予を受けたり

と納付がしやすいように対応してくれます。

差し押さえは「税金を支払う誠意」を見せることで防ぐことができるので、督促状や催促書が届いても無視をせず、役所に相談することが大事です。

5.滞納処分の停止

滞納処分の停止とは、滞納した税金を0円にする手続きのことをいいます。

滞納処分の停止は、

  • 差し押さえできる財産を売却しても滞納が解消できない場合
  • 納税者の収入が少なく財産があっても生活するために最低限必要と認められている場合
  • 納税者の住所と財産が不明な場合

のいずれか一つに該当すれば手続きをすることができます。

税金を滞納した場合に支払いが本当に厳しいときに対処するやりかたなので、一つでも該当しそうな人は一度申請してみるといいかもしれません。

6.債務整理を行う

債務整理とは、弁護士や司法書士に依頼をして借金の減額を行うことです。

債権者の要望に応えれない場合は「債務整理」を行うことをおすすめします。

弁護士や司法書士に相談することで

  • 自己破産
  • 個人再生
  • 任意整理
  • 過払い金請求

など適した対処をしてくれます。

どうしても差し押さえを避けたい時や支払いが困難な場合は「法律相談事務所」に連絡してみましょう。

法律事務所で無料の借金相談はコチラで解説

実際に給料が差し押さえられた体験談

実際の体験談

消費者金融からお金を借りている鈴木さんが差し押さえにあった実際の体験談です。

会社に勤めている鈴木さんはいつも生活がギリギリの状態です。

裁判所から「支払督促申立書」が自宅に届く

ある日、裁判所から「支払督促申立書」が自宅に届き「滞納している金額42万を一括で支払ってください」という内容の書類が届きましたが鈴木さんは一括で支払える資金もないため無視しました。

2週間後に「仮執行宣言付支払督促申立書」が届きましたが返済できるお金もなく仕事も忙しいため放置していました。

そんなある日、鈴木さんは総務部に呼び出されました。

「差押命令書」が会社に届く

総務部の担当者から「差押命令書」が会社に届いたことを告げられ、裁判所から届いた書類を無視し続けていた鈴木さんはついに給料を差し押さえられることになりました。

滞納している金額の総額は42万、手取りの給料が28万である鈴木さんは債権者に毎月7万を6ヶ月間支払うことになりました。

さらに、鈴木さんが給料差し押さえられた噂が社内にも広まり、会社にも居ずらい状況になり、約5年間勤めていた会社も辞めることになりました。

まとめ

給料の差し押さえは突然に起きるわけではありません。

借金やローン返済を怠っていれば「支払督促申立書」、税金を滞納していれば「督促状」と最初の段階で届く書類があります。

差し押さえの大半の原因は「督促状」などの警告の書類を無視し続けた人たちです。

金額が大きくて支払えないからといって解決策がないことはありません。

債権者や弁護士に「支払えない理由」を伝え相談することで差し押さえを防ぐ事もできますし、滞納している金額もどのように返済して行けばよいのかの解決策も見つけることができます。支払いを放置し続ける事が一番の危険です。

給料が差し押さえられないためにも早期対策で防ぎましょう。

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